< 本場結城紬の生産に関する課題と問題点
結城紬の生産に関する課題と問題点等・結城紬の生産に関する課題と問題点をピックアップし、結城紬の産地で問題点になると思われる事項をあげていく。結城紬ではすでに産地や組合が対策をとっているが、それはその場しのぎにすぎないことであったりして実は問題点をあまり深刻に捉えないようにしているように私にはみえる。だいたいにおいては結城紬の仕事に携わるとそのなかで今後の課題になるような問題がでてくるのであるが、実は問題点をとらえるのは長い時間のなかで情報交換などではっきりしてくることもある。私はその人個人で問題点をとらえるのは最短で10年かかると思っている。それまでは、結城紬の生産は分業で1つの工程を専門的に従事し、伝統工芸士を目指すという従来の目標とかわらないと思うが、私の親の世代はひとかたまりで染色、糸、織、絣、湯通しなどの職人がいて問題点をそれほど深刻に考えなくても済んだが、私の世代くらいまで年齢が下がるとそうした職人の穴埋めというか、人材不足といったら楽だが、今までできたことができない状況という厳しい現実が待っている。そこではやくも私はそうした問題点をピックアップして取り上げ共有していこうと思う。2017.9.3.北村陵 作成開始.
見学対応 化学染色についての現況動画2017.9.4作成 



化学染色設備投資からの現状などの過去のまとめ



化学染色ではなく草木染の場合:

草木染の場合ですが、媒染剤をそろえることと寸胴等を充実させる必要が有ります。寸胴や羽釜はなるべくアルミではなくステンレス製にしましょう。媒染剤がよりよく活躍しやすいのはステンレス製のものです。天然染料である以上、草木染めはしっかり染色しても、色が変化したり色落ちするというのをしっかり消費者に説明したうえで理解ある消費者にのみ、草木染めの結城紬の作品を販売するようにしましょう。説明がしっかりしていないとトラブルの原因になります。羽釜は41cmから43cmの口径にすることで結城紬一反分を一度に染めることが可能ですので羽釜は値段がありますがそこも考慮しましょう。ステンレス製であれば草木染めにも化学染色にも使用できます。私は、インド茜、ヤシャブシ、桜染めなどからはじめて、それらはインターネット環境次第で十分要点を調べてデータ化することが可能であることがわかりました。上を目指すと一生涯極める世界ですが初心者向けの染色資料、たとえばキッチンで染められるというような本から参考に業務用にきりかえていきましょう。注意点は、どんな状況でも投資金を回収できないという点をふまえてから染色投資しましょう。染色投資は赤字の世界ですので長い目でみて無理のない無駄のない適切な距離感をもつことが大切です。

<上記までが染色についての私の調べと投資、それから現状です>

現在2017.9.ですが、たとえば結城紬の証紙ですが、これは染色組合員が染めたものである必要がでて私はその組合員ではないので私が染めたとしてその場合、証紙がつかないのです。これはシステムが染色投資中で変わったので本当にどうにもならない問題になりました。つまり、証紙を重要視する消費者にはプロがいるうちはプロに依頼するしかありません。さらに、生産は本場結城紬織物協同組合員のもとでないとなりません。本場結城紬とは登録商標ですので、条件を満たさないと本場結城紬となのれません。よくここを勘違いしている方がいますがたとえ本場結城紬とまったく同じ条件で生産しても本場結城紬を織っている、などとはいえず本場結城紬ではなくただの結城紬です。プロは60歳以上というケースが多く、自分で染められる環境をととのえた、というところで中断しています。今後染色事情はどうなっていくのか私にもわかりません。4つくらいの組合がまじわっているため新しいルールやシステムにどんどん変化するためよめないのです。予測して投資や戦力強化してもそんなはずではなかったというのは日常茶飯事なのです。自腹をきってはじめてきがつくことで私はひどい目にあったなと思うのです。

 

糸とりについて:

糸とり及び袋真綿、角真綿から糸が手でひいた手つむぎ糸生産は、組合が地機織りとともに後継者育成にチカラを入れている製糸部門であるが、糸の細さや扱いやすさ、ふしこぶのない平らな糸ほど糸賃金が高くなる。この部門にも伝統工芸士がある。高級な糸ほど糸とりにも時間がかかり、はやく糸をひける人でも94g1ボッチで2週間かかるもので、3000円から高いもので12000円くらいまでの賃金がつく。国民年金などの高齢者が受給しつつ、野菜や果物などで汗を流し農閑期には糸をひくことに専念する人もいる。女性が多く、また織りの経験がある人ほどどの糸に使われるのか、緯糸か経糸か、絣の緯糸か経糸かを熟知しているため織り経験が重要なキャリアになっている場合もある。まだまだ手厚い手間賃とはいえず、糸不足になってもそれほど相場も変化しそうにない。製糸部門で伝統工芸士を取得する方は、さらに原料の袋真綿かけという特殊技能を身につけている場合があり、この糸づくりより真綿かけができる人が少ないため実演では真綿かけはとくに珍しくうつり実際に、珍しい技能のため、できる人が実演のひっぱりだこになっている。命の危険はないが忍耐強さがいる。 初心者からスタートして真綿を100枚くらいこなすと飛躍的に技術がよくなる場合がある。後継者育成は育成期間が約1年きざみのため、慣れてきたなと思うころ卒業になる問題がある。

図案について:

図案についてはまずは図案紙のことについてまとめたものがある。

図案紙について 

さらにタテ縞、ヨコ縞、どちらも組み合わせた格子柄に分類され、絣ものという具合である。格子柄は複雑な意匠が可能なために私が下積みの記録として残したデータもある。

格子柄の研究について

無地、縞、格子、絣があるというのは覚えておこう。絣については上記資料のほか、伝統工芸士でその道のプロになったら記録するといった記事があるのでそちらも参考にしてみてください。

絣くくりのパソコン図案について

さらに生産者の立場の参考を3年分記録したものがあり、

2012-2014生産者の立場の参考について

こちらはいずれ基礎中の基礎で考えもしなくなるだろうという予測で当時とりかかったもので不出来な部分はあるが基本的には

2012年の生産者の立場の参考

がわかりやすい思っている。

こうしたデザインソフトがない場合は例えば残りやすいのが図案のいらない無地経糸が670本(上下の糸で1340本だがこの場合半数をいうのが常識)から5本おきに異なる色の縞で二色で仕上げるなど口で説明して図案にできるシンプルなものが残りやすいと思っている。図案はやはり難しいものではあるが最終的にはシンプルであまりゴチャゴチャとしていないあっさりしたものが残りやすいと私は思っている。さらに昔の日本人体型より現在は身体が大きくなっているのでかならずそうした人にも対応できるようゆったり幅広に設計する。

図案紙は80,100,120,160,200,240とあるが使用頻度は80,100,160が多い。図案紙のおおもとのデータはもう指導所でも配信してないので自分でデザインソフトで研究し作成するしかない。とくに結城紬図案紙そのものはあらゆる織物にも適応してしまうので県の研究機関、指導所に図案のデータが欲しいという依頼がくるらしいが結城で独自に研究を重ねて並大抵の苦労ではない努力で作成したためデータは配布していない。

結城紬の図案は独特な糸計算から逆算して計算し設計されているので他の織物ではできない、というかデザインが独特で応用ができにくいので絣は案外つぶしがきかない分野ではある。設計図案でそのほかデザインソフト維持なども結構な投資になるので図案は依頼したほうがはやい。

最終的に何がその人のベストな資料なのかは私はわからないが参考に最後に莫大な時間がかかった資料群を掲載して図案についても終わりにしたい。

中間資料集4までのまとめについて

真綿かけ前動画 伝統工芸士 製糸部門 植野智恵さん


 

真綿かけ前動画2 伝統工芸士 製糸部門 植野智恵さん 

 


真綿かけ写真集

真綿かけについて:

真綿かけというのは、原料に関わる仕事でまず原料の繭を重曹で煮込み煮繭(しゃけん)という工程のあとに行われる。袋真綿や角真綿を作り出す作業工程である。繭を重曹で煮込み柔らかくなった繭の蚕さんが蛾になって食い破ってでてくる繭の一箇所の薄くなった部分をみつけそこからぬるま湯のなかで繭を広げていき8の字を描くようにして真綿にする。上記の真綿かけについての動画や工程の説明は、もともとこのコンテンツのために作ったわけではないが、この作業の習得にははやくて10年はかかるだろうと伝統工芸士の多くの人がいう。この作業は結城紬が生産される場合は最後まで人材として重宝されるが、コツをつかむのが難しいといわれている。見るのとやるのでは大きな違いがある。

下ごしらえについて:

下ごしらえは、結城紬が織りの工程の前までの多くの工程のものをさすもので、織元が下請けをしているときもある。糸巻き、糊つけ、綛あげ、2度目の糊つけ、2度目の糸巻き、機のべ、本糊つけ、束わけ、筬通し、あや返し、機巻き、前結び、かけ糸かけとよばれる地機の糸綜絖をつくり下ごしらえ完了という流れで複数人数で作業することで2人で3人分の仕事をして作業効率をあげる。染色はプロに依頼して分業制である。染色後その流れで緯糸は薄く糊つけし、小管へ糸巻きする。これは従来の形であり、いずれはすべて1人でこなしていかなければならないものだと私は考える。時間にすると10時間以上かかるだろう。さらには記したものは無地、縞、格子の場合であり、絣の場合、間差したりして下ごしらえの緯糸、経糸が複雑化する。織元に下ごしらえの依頼というのは絣がある場合が多く絣ものの場合こそ、複数人数で行うことが間違えが減り理想的である。糊つけは薄力粉より強力粉のほうが適している。たけ、とよばれる結城紬産地に近いところで生産された小麦粉が最もよく、手に入らない場合はカメリアの強力粉がよい。下ごしらえもその道10年であり、何事でも習得にははやくて10年かかる。それらの習得の難しさこそが面倒だとか人材不足に直結しており、単に生活がなんとなるレベルの賃金で歯止めがかかるような簡単な問題点ではなくしている。

生産についての最後の記事
生産についておおまかに説明してきた。結城紬は複雑な条件で産地は成り立っている。生産者、つまり職人とそれを売る卸商という2つであり、卸は儲けるためにいるわけだから当然、生産者の生産したものを倍で売るわけだ。あまり結城紬を呉服屋でみかけないというのは生産数が少なくなっていることもあげられるがそれだけではない。それはここには書かない。つまり私は最後に考察するのが、小倉商店と奥順の幹部とリストラをまのがれた社員、それを支える職人という形式が最終的な形となるだろう。その理由も書かない。職人は働けるうちは現金化してくれる卸について、とにかく最後まで技術を現金化するだろう。いまはこの状態の予兆にいる。自販をする生産者もいるが、これは最終的な形にはなりえないと私はみている。それと同時につむぎというカテゴリーは消費者にとって中古が蔓延しはじめ、新しく着物をつくってもらうことすら馬鹿馬鹿しい、といういわばどうにもならない大きな闇をこの時代に抱え込んでしまっているのである。あとは勇気ある若者にその後は任せたい。 長々と語ってしまった。