縞のタテ糸ののべ方ですが、たとえば上記のように異なる色でA,B,C,D,Eという異なる色の縞が(ABCDEで)ひとつのパターンでできている縞織物だとします。たとえなんで色はなんでもいいわけです。そしてこのパターンで繰り返されていって縞ができている場合、A2本B1本C2本D2本E1本でできている場合はボビンは上記の絵のようにボビンをあわせて配列してタテ糸をのべていきます。ひとつのパターンで、それをくりかえしてタテ糸をのべれば織物のタテ糸ののべ方ができるといえます。1本の糸でのべてあやをつくるとそれが上糸、下糸になります。この場合でも織物は1本と数えます。(AABCCDDE順)パターンごとになっていれば、のべ作業が終わって混乱することは少なくなります。 人間国宝の志村ふくみさんがまれに使う縞パターンをみてみましょう。仮にX,Y,Z, Mというような縞パターン(XYZMでひとつのパターン)に、不規則不自然なパターンの糸(b)がはいっているというケースがあるとします。これは、私どもの絣職人が使う技術を使っています。<間差し まざし>というもので、パターンの縞のタテ糸をのべて、そのあと筬通しなどの工程のときに、あらかじめ用意していた不規則になって入る(b糸)の糸をあとから不規則(場合によっては不規則も計算されて設計している)にまざして縞をつくります。絣の職人はこれを絣糸でおこなっています。志村ふくみさんは、絣職人の仕事をみてヒントを得たのだと私は推測しています。このような縞は、左記の縞の基礎的な整経(せいけい)をおこなったうえで応用技術として(不規則な縞)あとから違う糸(b糸)をまざして筬通しをし、タテ糸は完成されます。一手間かかっているといえますが結城紬のような全員産地全体のようなとらえかたをする織物ではあまりおこなったり、つくったりはしません。ただし今後、作家活動が結城紬の産地でもあたりまえになれば、こうした作家による<オリジナル縞>も結城紬は普及していくと、私は思っています。私は帯で作家活動的なものを展開してみたいです。縞ではなく、格子柄ですがコツコツすすめています。2016.4.25.北村陵 北村織物