糸づくり実演

 

糸とりは男性はやりません。

唾液が女性のほうがいいといった意見があるようですが

女性しかやらないうえに糸とりできる男性を私は知りません。

織元は唾液が女性かどうかより糸とりの職人が<胃薬>を

つかっているか否かを気にします。

どんな状況下でもすぐに使わない糸は<染色漂白>をかけて保存するのが

一般的といわれています。

2015.5.26〜

   

やや遠い位置ではほぼ無地帯ですが絣を入れています

海外ブランドでいうとストライプで有名なポールスミスという若年層に高い支持を得ているハイブランドがありますがまさに英国貴族はスーツにもさりげないオシャレを取り込んでいたのです。それは何も英国(イギリス イングランド)に限ったことではないと私は思っています。なぜかというと、着物は襦袢(じゅばん)によく当時の職人が素晴らしく洒落た柄を作っていたので見えない所に、または見えにくい所にも気を配っていたのです。つまり私ども日本人も隠れた所に尋常ではない手間をかけておりそれは現実に今も伝統の中に生きているのです。この帯の絣は確かに白の絣の方が浮き立ちます。地色が黒ですから白をもってきます。しかしその調子では、それではすでにある絣の技術の模倣にすぎません。

新作の帯です。蚊絣をほどこしています。オリンピックで<市松>が有名になりました。エンブレムの市松は北村織物では過去に他にも制作しました。

下記に↓ 北村織物 本場結城紬 の生産した市松の蚊絣を掲載しておきます。

 

オリジナルで制作したものです。余談ですが、結城紬の図案とデザインの習得者は、いまだに私の父のみです。2016年の新年、保持会のデザインは北村織物のみオリジナルの絣を図案にし制作したので委託していないのでデザイン料がういているのでその分、もらいたいものだ、と親父はいいます。指導所、しっかりしろ。

しかし考えてみれば、私の父の世代は60歳以上であるからメールが開けるだけで、すごいほうです。

化学染料で新作を制作。こちらも肉眼では縞ですが、杼を使いわけて2色の黒と黒緑といったらいいのかその二色で格子柄になっています。こうした着物は実は昔は現在よりはるかに多かったと思います。現在、ここまでこういう結城の布に目がとおる方は、イギリスやイタリアの紳士服も好みではないでしょうか。

縞にみえて格子柄

黒濃淡

草木染 茶に注目

茶は左はしの二綛がやや黒く茶が二色ここにあることがわかりますか

 

他人の評価ほどあてにならないものもないですが、

この結城は単なる模倣ではないです。

黄八丈を模倣としてはいます。ですが

それでは面白いわけがない。そこで茶の草木染で

濃淡を、地元に近い染色で大久保さんの思川桜を

とりいれています。隠し味に赤味がきいています。

思川桜とは小山市に流れている川で修道院近くに

咲いた大花弁の突然変異の桜で品種になっています。

大久保さんに依頼したのは私がバイトをしていて

染める時間がないのでしかも夜勤で夜しか起きていない

ので家にいるか夜のコンビニくらいしかやっていません

ので当然、資料を読んだりするわけです。つまり企画に

当てればいいわけだった。大久保さんは銀座もとじさんに

東京の草木で染めてくれと依頼があったようですが

東京は光化学スモッグがすごいので色がいいはずがない

と指摘したそうです。これは面白い着眼。

青山スクエアの審査員のかたは残念なことにこの作品は

模倣だと思った。なぜかというと

私の精密で精緻な商品解説は作品展の応募用紙に

収まりきらなかったので、私の変わりに親父が10文字くらいで

100%草木染の九寸名古屋帯です。と書いて

応募したのです。これでは、青山スクエアの

今の態勢でいたらダメですよ。どう考えても厳密で

色にうるさい着物ファンは食いつきが悪くなる。

用紙通りではほぼ素人の青山スクエアでは販売できるはずもなく

売れるはずもないです。説明にもこだわりがないからです。

青山スクエアでは売れなかったのですが、私が説明した途端、

流れが変わりましたよ。当然です。デザインが私なのでどこが

いいのかがわかっていて、その上で作っているんです。

青山スクエアは解説の用紙を作り直すべきでしょう。見習いにできて

審査員にはできないとか、ちから関係がすでに狂っています。

こういう現実を搾取していては青山スクエアどころか、

伝統産業自体、危険な気がします。

話は変わります。 結城では可能な染色の

化学染料では<可能>で<自在>な濃淡の差と、

天然染料では<可能>で<不可能>な濃淡の差を

いまだに発見しきれずに私はさまよっています。

どのくらいその色が浮き出るかとか沈むのかとかが

思い通りにはいかない。または予想していない色が出たり、

そこがつかみどころのない天然相手とでも言えばいいのでしょうか

企画やデザインとは異なる表情を見せます。これは化学染料には

まず見られない傾向だと思います。化学染料は確かに堅牢です。

草木の色落ちを楽しめる人にしか、私は売る気がしないです。

ですが、できるところまで草木染でつきつめていきたいです。

もうすぐ伝統工芸士の受験がありますが私は通過点である

と考えています。今の時代、伝統工芸士はいくらでもいます

のでそれでは目立てません。

気持ちが早いようですが私は、2部門伝統工芸士を目指します。

高尚(こうしょう)な結城をめざし挑戦し続けます。

企画 :見習い 北村陵

本場結城紬 北村織物

 

 
2008年に再現した格子柄の着尺
 
 

目の錯視を応用した縞の結城。北村織物制作。珍しい糸切り替え方法で縞はいくらでも変化していく。

北村織物 本場結城紬