本場結城紬の昭和の縮(その1)ヨロケ縞絣

立涌(たてわく)もろ絣

コレクターより掲載許可がおりた為公開

本場結城紬の縮であり、昭和の作品と思われる。 この作品がコレクションされた理由は絣がタテの縞絣であり 沖縄県に存在する技法の手結いの絣技術に似ており、 下記に図案化したものの基本的な糸を少しづつそらしていく 技術は手結いの技法のものと思われる。 絣は直接染色法(スリコミ)ではあるが、タテ糸の絣を うまくあわせて、直線的な表現から波打つような優雅な 曲がりくねりのヨロケを表してる。このあたりは絣として の一手間といえる。通常であれば糸を色違いの単純な縞で直線的な縞 をつくり出すのであるが、そこから脱却しているひと仕事の点が 素晴らしい。また画像では伝わらないかもしれないが 縮のしぼがよく出ているもので、昭和の結城らしさが 出ている。繭は、玉繭とよぶ二つの蚕があわさったものを 使うと丈夫にできるため、昔の紬にはこうしたものが あるが、現在はあえて玉繭をつむぎの糸の丈夫さとして採用することは 好まれない。一般的に回転まぶしを使うことでそうした 玉繭などの養蚕技術の低い繭は避けられるためである。 意図的に玉繭をつくれる現代では、とくに注意したい。 あくまで、どうしても避けられなかった技術の未熟さ からできるものであり、意図的にそうしたものをつくる ことは織物としてのモラルに反する。この作品は意図的な節糸のない糸選びから美しく上等な織が自然体としての手つむぎ糸強撚糸のしぼがよくあらわれた縮作品といえる。玉繭の考察2015はこちら
左から、絣の糸を製作する。右に、絣のタテ糸をそらしヨロケをつくる。最終的に右のように表現。こうしたパターンを基準に左右対象的に向き合わせて完成。

モロ絣の解説

次回は、総柄の絣をほどこした縮を紹介します。