本場結城紬の昭和の縮(その2)幾何絣総柄

蜀江(しょっこう)

コレクターより掲載許可がおりた為公開

昭和の縮である。絣は四色と幾何学模様の幾何絣の総柄であり、名品に位置するものといえる。絣はまずサビ止めに染色し、絣くくりをおこない、白を防染し、よくすった墨で墨付けをおこなう。カスラーという絣道具にかけると手つむぎ糸が乾燥させるまでに若干、伸び縮みがありくるいがうまれる。染色してもある程度の目安として墨を残すわけだ。ここでややくるいが発生している為、高度な絣技術が必要になってくる。次に残したい色を絣くくりし、同じように墨付けをおこなう。二色目以降は、脱色と染色を繰り返すため、この墨付けしても墨が残る行為をおこなうことで幾何絣模様の経緯絣のくるいを最小限にするとうわけである。墨付けは重要な作業ということになる。それを四色まで繰り返すため、計り知れない手間となり名品となる。目色をあとから捺染した技法でも手間をくっている。私の時代では目色(絣の色)は脱色染色たたき染めまでの工程において手つむぎ糸のダメージから三色までと制限している場合が多いため、四色の絣は珍しいということになる。縮の絣技術は一度とだえてしまった部分があり、平でいうところの地糸の緯だけ縮糸(手つむぎ糸強撚糸)と絣糸の緯も同じく撚糸にするという意見で考察がわかれたのであるが、絣も縮糸にした場合は細工の絣があわなくなってしまうと思い、私は前者の意見に賛同している。この点においても昭和の絣としての価値を高めている。これを縮でおこなっているために、昭和31年結城紬の国の重要無形文化財指定によって、縮の生産から通常の平織りへと生産をシフトし縮と平の生産数がのちに逆転したのであるが、推測では指定以前の縮の当時の最高技術作品と思われる。
絣の色は4色。白(サビ止め)、ケシ(藤色のうすめ)、赤、茶
2013年の目色三色の絣生産の参考 

総柄の絣参考(1)

総柄の絣参考(2)

以上である。