本場結城紬の平成の平(1)唐華

コレクターより掲載許可がおりた為公開

直接染色法による植物モチーフの目色2色の総柄の本場結城紬である。デザイナーが何の植物を表現したのか不明だったのでタイトルは唐華(からばな)とした。コレクターの結城は昭和の作品が多いが、こちらは昭和より平成の可能性の方が若干高いため平成の平織りとした。直接染色法というのは、絣括りなどの防染ではなく、捺染(なっせん)技術であり、まったくの別の技術によって絣がつくられる。平成としたのもこの技法が集中して生産されたのが平成になってからのためである。薄く淡い色を着物ユーザーが好むようになり、そこに付加価値をつけるために創始された技法に由来し、この捺染技術にも文化庁の権威のあるラベルを産地が貼って売りさばいたために、文化庁は結城に文化庁の権威のあるラベルを結城から省いた。この一連の事件が発覚し、新聞にとりあげられ産地問屋は文字通り信用はガタ落ちして現在まで尾を引いてしまったというものである。デザインが昭和の頃ともみえる点は、亀甲絣のみで表現しているせいかべったりとした印象が強い。これが例えば現在であると、植物の茎の部分はもっと細く、亀甲絣の技術には執着せずに、点と線の絣に置き換えてより忠実にデザインされるということだろう。私の織元では、現在ではこんなデザインになっているという例をあげて終わる。 
すべて亀甲絣の絣でできている。
平成・唐華 平成・南天