西陣織 伝承の技

切畑健 松尾弘子

西陣の職人さんが2017年になってダブルワークと今後どうやって生きればいいかわからないというだけでなく、どうやって生きればいいかと自分に問うことも知らない大概の若者を相手にひともんちゃくがあった。単純に高度経済成長で成長の波に遅れた伝統工芸は、その分野で特殊なスキルをみにつけていても困窮を極めるという行末では若者はついてくるはずがない。インターネットの環境が整い現場や生産をあまり把握してない匿名者がSNSで忽然と登場しやすくなっている。現状はその程度だ。西陣織は日本の染織を代表するものだった。技術が海外に流れやすい技術であったというのが最大の弱点で海外流出が国内の生産者を苦しめている。西陣は応仁の乱のあと、ほとんど焼土と化した京の地に新しく復活した織物をさす。過去の西陣はどのような経緯をたどりいまに至るのかを知るためであれば資料に目を通すことに意味があるだろう。西陣織についてはリアルタイムでサバイバルしているユーザーをチェックするのが現状把握には効果的だろう。西陣織も結城紬もときと場所によっては高級な自動車と値段ではりあうような織物だ。私はダブルワークはスタンダードになると思う。どうやったら成功するかを考えないと成功はしない。成功している人はどうしているかも考えたり研究しなければいずれそういう人は忘れ去られると思う。西陣織も結城紬もときにはとんでもない値段のものと比べられる宿命があるが、どういう需要に答えるか、層に訴えるか、ターゲットにするのかもこれから重要な戦略のひとつになると思う。問題は簡単ではないがそのなかでサバイバルに勝ち抜いていくしかない。泥臭い苦労人が尊い、お金持ちこそ成功、のふたつのカタログ化した価値観しか示せない日本はめんどうで他の価値観や生き方を開拓しようとしないのだろうか。