京都西陣、愛すればこそ

田中峰子

2000年に出版された。いま思うと私はこの頃まだ社会人ではなかった。この著書ですでに不景気であったのだ。私は1998年サッカー日本代表がフランスで開催されるワールドカップ出場をはじめて日本がキップをもぎとり、4年後には日韓でワールドカップが開催され、話がそれてしまうが世界トップクラスの豪華なサッカー選手が日本にきてプレーするというビックイベントのせいか、恥ずかしくも不景気とは無縁な浮かれたいち学生であった。同じ思いの人もいるのではないだろうか。著者は、西陣業界にふく不景気で従来からの京都の老舗があちらこちらで思い切った改革策を練り出さないといけない背景をその道の人、職業ならではの視点で描写している。それは事実だと思う。本のタイトルは京都西陣愛すればこそ であるが続くとしたらそこにだから厳しく言っている、着物は強制はしない、押し売りもしない がサブタイトルであると思う。いままさにリーマンショックのあとでまたしても似たような不景気が再びおとずれている。それが2017年の状態である。是非、着物ファンのみならずこの本を読んでもらいたい。そこには経営の本質と同時に意識改革、やさしさもこめられているからである。