Yuki Library結城図書館染織着物資料案内 古書現代ZERO

Yuki Library結城図書館染織着物資料案内 古書現代ZEROを2016年から、

資料作成を行うことにした。本来は私の本などの価値観は購入し、自腹をきることで読書はみにつくという考えがある。

古書現代1や古書現代2は自腹ですすめてきたのであるがやはり常時金欠状態になりがちである。

染織や着物のものの資料は専門書にカテゴライズされ高額をいつの時代も維持し、それらは資料収集の難しさを

物語っている。

今回、古書現代ZEROと題して、結城図書館で借りることができる染織資料や着物関連のもの<のみ>を

ピックアップして次世代の染織家へ足場を残したいと思う。

 

作成:北村陵 : 北村織物 本場結城紬

 

古書現代 染織厳選読書 (100冊分)はこちら


古書現代 染織厳選読書2nd (101冊から200冊)and中間

古書現代2(55)中間資料集はこちら

本場結城紬 北村陵

きくちいまの大人かわいい着物読本 きくちいま

本書のはじまりのきくちいいまさんの言葉を引用しよう。『はじめに こんにちは きくちいまです。木綿のきものに半幅帯、この組み合わせはカジュアルきもののトップバッターです。「洗濯機で洗っちゃうの?半幅帯に帯留めするの?」………正統派の人にはびっくりされるかもしれませんが、そうなんです、木綿のきものってきっと皆さんが思っているよりずっと簡単でずっと楽しいんです。ーーーー。という感じのあいさつにはじまる、カジュアルはより気楽に気軽にあるべきとのふだんきものを推奨する。結城紬大使として任命され結城にも認知度が高まりつつあり、活躍の場が広まり、どんどんまわりに影響を与えてもらいたいというのが、いちつむぎ生産者の思いであり、考えである。きくちいいまさんというと愛くるしいイラストと『木綿』と「ふだん着物」が強みであることも知られている。なみなみならぬ木綿へのこだりもあるようである。結城紬は、一瞬、木綿織物であると思われているが、木綿のような絹織物であり、そうしたややこし関係の木綿と結城の事情があるにせよ、結城紬大使の選考者たちは、そのしぶいとこついてきたという感じに思えなくもない。結城は木綿織物とよく間違えられて、実際に<奢侈禁止令 しゃしきんしれい>などの贅沢禁止の歴史の包囲網をかいくぐってきた絹織物である。私は、結城紬大使のムードメーカーとしても活躍すると思って期待もしている。今後も活躍を見守りたい。結城図書館限定の着物資料のこのページで、きくちいまさんの著書を複数置いてあることを確認したので順次紹介を重ねたい。

はじめての男着物  木下勝博 着物や帯を扱っている会社に入社したが、皆が着物を着ているわけではなく、むしろ着物業界の中で日常的に着物を着ている人は少ないという。そうした矛盾ににたもの、など疑問を持った著者は、着物に携わるのだからという単純な関心から着物を着始め、きものの魅力にとりつかれてしまう。着物コンシェルジェとしての的確なアドバイスが散りばめられている。着物を着るようになって洋服を着ていた頃より天気や季節を意識するようになったという。着物初心者にもイメージしやすいようにビジュアル(写真)中心の構成をなしつつ、1章では季節やシチュエーションに応じたコーディネートを私物をまじえて紹介。2章では着物を着るために必要なものをアイテムごとにそのバリエーションも含めて説明し、3章では実際に着物を着て楽しんでいる人とそのコーディネートを紹介。一般的な着物の基本知識はあえて最終章にまとめてある。それらを必要に応じて活用するしくみである。本書は、現代の洋服が主流であることから、着物と洋服を上手に例えて、コーディネートを紹介している。休日のリラックス着と木綿の着物をビジュアルで紹介し、洋服に例えるとTシャツ+ジーンズ、としたり、ウール着物の場合はショッピングのコーディネートで、洋服に例えるとジャケット+パンツ、とする。絹の着物では、パーティー、披露宴、洋服に例えるとスーツとしてわかりやすく着物と洋服の関係をつないでみせる。それらはビジュアル(写真)とともに紹介されていく。著者は着物コンシェルジェとして、着物を着始めようとする方には、まず普段のスーツはどんな感じなのかをきくのだという。普段どんなスーツを着ているのかを聞くことで、着物にはスーツの色を、帯はネクタイの色柄を、足袋はよく履いている靴下の色を、下駄は靴と置き換えて、着物を身近なものと感じるふれくちをする。スーツの素材にこだわる人であれば同時に着物の素材のよさも日本で培われた技術のすばらしさを感じるはずだという。私はこの著書の着物アイテムなるものをサッと目を通すと、てすりが本革でバックの柄が着物や帯地の和洋折衷アイテムがしぶみがありおもしろいと思う。つい2016年になって人気グループのメンバーの一人の木村拓哉さんが日本和装のCMに登場していた。びっくりしたのは多忙な生活を送るなかで着物を着る日が着物を着ない日を日数上大きくうわまわっているということであった。伝統に、伝統の中に「いき」という美意識はふだんからとりいれることで感覚はよりみがかれていくものなのかもしれない。
はじめてのきものの着付けと帯結び  石田節子

衣装らくやの石田節子さんの著書。つむぎのとくに最近では産地協力に尽力されているが、結構波乱万丈な人生を送ってきている。本書は、もくじから検索していくのがいい調べ方といえるだろう。もくじをサッと洗い出そう。

その1きものを選ぶ 

初もうで 落語を聞きに 扇子を買いに 結婚式 黒留袖 色留袖 振袖 訪問着 色無地 喪服 小紋 紬 浴衣 男の人のきもの こらむ長襦袢のいろいろ 

その2着付けに必要な小物 

半衿 長襦袢 肌襦袢 裾よけ 足袋 腰紐 伊達締め 帯板 帯枕

その3帯・帯締め・帯揚げ 

帯の種類 帯締めの種類 帯揚げの種類 帯まわりのコーディネート 帯留めで遊ぶ

その4きものの楽しみ・帯結び 

コーディネートの楽しみ バッグ 草履 雨の日の外出 寒い日の外出 帯結び 二重太鼓の結び方 一重太鼓の結び方 角出しの結び方 方流しの結び方 帯締めの結び方 帯揚げの結び方 

その5きもののリフォーム

 きものからきものへのリフォーム きものから羽織・半幅帯へのリフォーム きものから長襦袢へのリフォーム きものから小物へのリフォーム こらむ江戸の芸能界

その6浴衣の楽しみ・帯結び 

夏祭り 下町めぐり どぜう屋へ行く コーディネートの楽しみ 夏のバック 下駄・夏草履 髪飾り 浴衣に合う小物 こらむ質屋ばなし 一文字の結び方 矢の字の結び方 貝の口の結び方

その7基本の着付け 

下着をつける 足袋をはく 裾よけをつける 肌着を着る 長襦袢を着る きものを着る 浴衣を着る 

その8きものの手入れ 

きものの部分名称 着付け前の準備 着たあとの始末 きもののまわりのあと始末 きものと帯のたたみ方 こらむたかが下着、されど下着

その9きものを着たときは…… 

着くずれの直し方 きものの日の立ち居振る舞い

その10きものまわりのミニ知識 

きもの年間カレンダー 行事に合わせたきもの選び こらむ 昼酒のススメ きもの紋 きものや帯の柄 風呂敷の包み方 こらむ江戸っ子はきれい好き きものの用語説

となっており、着るための、結び方の方法は細かく写真でポイント等をまとめてある。着付けの講師ならではのつくり構成といえる。

折にふれて きものの四季 

清野恵里子 

写真 浅井佳代子

樋口可南子のきものまわり、きもの熱などの以前紹介した清野恵里子さんの著書でも今回も、やはり紹介されているきものなどは、<いまとなっては>にはじまり<貴重><珍しい><技術者がいない>などの骨董にさしかかっているものが多い印象である。本書は、ひらきページに文章(文筆家)としてのみのあとにひらきページ一面に今度はモデルさんや着物、小物等のビジュアル(写真)構成となって、以前紹介した著書共通の、爽やかな感じやよくみると技術が卓越した一品などがうつしだされていてシリーズに共通した何かを感じるがそれは読者が女性であれば<憧れ><理想>などや<日常的にあったきもの姿>などかもしれない。著書で私が注目したのは<いまとなっては><技術者がいない><結城紬>になるであろう、42pに紹介されているきもの<琉球伝統の絣柄を織り出した、藍地の結城紬>ということになる。つい最近、つむぎの熱狂的ファンが私にみてほしい琉球布(それは久米島紬であった)があるというのでみたのであるが、草木染めであり、防染の手法、絣括りでは結城の産地にははっきりとした琉球の絣の作り方は残っておらずに、推測してゆくほかない技法がこめられていたのであった。この著書の結城紬も琉球王国が日本の絣の発祥の地とされておりながら、結城の産地には珍しい琉球の絣をモチーフに絣をつくった結城紬ということになる。私の織元では、手描き時代だったころからの結城紬の図案などが残されているが琉球の絣をモチーフにしたものは一枚も確認できない。積極的に琉球の絣を取り入れようとした時代背景があったかもそこには確認できない。草木染めに代表される染色と絣と琉球の関係は、私にはその技法を疑う資格すらないほどに迷宮入りをすでにむかえはじめている。

 

男のキモノ

笹島寿美

「力士も、着物の着こなしがうまくなってくると、いい相撲をとるようになっていますよ」初代二子山親方(横綱、初代若乃花)からお聞きした言葉だと著者がいう。著者が親方から横綱の雲竜型(うんりゅう)と不知火型(しらぬい)の結び方を教えてもらうために訪ねた時のことであった。著者は女性であるので男性の和服の着こなしを話すことは難しいことであるといい、着物を自然に上手に着ている男性をみると、男らしさ、粋、優しさ、力強さ、格好のよさなど男として、あるいは人としての味と魅力を感じます、と述べている。著者は以前、男性の<着流し>と<袴 はかま>の着物姿を試してみたことがあったという。着流し姿では、気持ちが和み、ゆとりや遊びの感覚をそこに紋付の羽織を着ると威儀をただす感じを、また袴姿では、帯と袴の紐でお腹を締るので、まさに『臍下丹田』(せいかたんでん)、勇気を覚え、強い人間になったような気持ちになったという。著者のいいたいことをそっくり引用しよう。これは、はじめに男の着物として述べているもので感慨深いものがあるように私にはうつったのも確かで考えさせられてしまう。

しばしば、政治評論家のかたがたが昔のような勇気ある政治家が少なくなってしまったと嘆かれているのを聞きます。そんなとき私は、いつも想像することがあります。それは、日本の政治家全員が和服で議会を開くことです。洋服では、表面を格好よく繕えても、和服を正しく着ることは、精神を強くして、生きる姿勢を見せてくれるからです。現在の政治家が、着物を着て袴姿になったら、きっと滑稽な七五三姿が多く、日本を代表できる凛々しい政治家はいないのではないかとさえ思われます。かつて、故人となられた立派な政治家には、和服を着こなし、和服でくつろがれていた姿が随分と見ることがありました。心身の安らぎに政策を思い巡らしたのでありましょうが、現在の政治家はくつろぎ方も忘れてしまっているのではないでしょうか。いずれにしましても、「着物を着て、帯をしっかりと腹に締め、袴をはいて姿勢を正してみてください。必ず、勇気ある政治家となることでしょう」と私は声を大にしてしまうのです。

とのことでこれにも終わらない。男性の着物の着つけは、女性と比較すると、見た目や着るプロセスにおいても、簡素で簡単である。著者が着つけの基本を学び知るのに要した年月は、女性の着つけは3年、子供の着つけは5年、男性の着つけは7年であったという。一見、簡単にみえるものほど難しいといわれる、着つけも、楽にできそうなことやシンプルな帯結びほど技術が問われ、それらを追及するほどにその感を強くしているという。男女を問わず、和服の装いで一番大切なことは、腰にあり自然体にあることも合わせて知りました。と、あとがきでつづっている。ある歌舞伎役者さんが、『着物姿の最も美しく見せるのは<自然体>である。腰がどっしり安定し、腕や足の動きがスムーズに流れるとき、着こなしの美が生まれる』といったという。著者は最後にいう。『日本の民族衣装の和服によって<臍下丹田>ではありませんが、帯をしっかり締めて、新たな男らしさ、そして男の根性をと望んでいます。』

一万円からコーディネートできる!

はじめてのアンティーク着物

アンティーク着物を

楽しむ会 

アンティーク着物は着たいけど、どんなものをどの時季に、どんなふうにコーディネートすればいいの?という方のためにつくられたお手本の書物。アンティーク着物店の方々に見本(参考)となるコーディネートを披露してもらい、とりあげているものは、着物と帯を合わせ一万円以下のものから一万円台までの購入しやすい組み合わせで、正式な場に着ていくものではなく、普段着として着るものが中心となっている、難しく考えず楽しい着こなしに挑戦してみようというものである。その年の流行もあるが浮き立つような、華やかな色柄の着物や美しい花の着物を身につけよるとして三月はひな祭り、つくし、桜、貝合わせ、椿、たんぽぽ、たけのこ、ひばり、すみれ。四月は桜、花見、牡丹、木蓮、朧月。五月はつつじ、鎧、かぶと、えんどう豆、花菖蒲(はなしょうぶ)、吹流しなどがモチーフと紹介し、厳密にいえば、単衣は六月九月に着る着物であるが、五月の暖かい日なら単衣を着ても大丈夫とアドバイスしている。厚手の木綿や綿絹混紡の単衣も五月の装いとして楽しみましょうとしている。これがまず春(三月〜五月)の基本である。次に夏(六月〜九月)は、普通単衣を着るのであるがはじめて単衣を購入するのであれば、涼しさを感じさせる色目で九月にも着られるものを選ぶことがポイントの季節とし綿麻など、それほど透け感のないものなら六月〜九月まで四ヶ月も着られて重宝するという。六月のモチーフは藤、紫陽花(あじさい)、葵、蛙、田植え、鵜飼(うかい)、七、八月には、絹ものなら絽や紗、天然素材なら麻といった透け感や涼感のある着物を選ぶのがポイントであるという。七月は金魚、浪千鳥、茄子、風鈴、花火うちわ、朝顔、八月はひまわり、撫子、天の川、流星、西瓜、灯ろうなどがモチーフである。このようにして春夏秋冬をわかりやすく紹介しているので、あなたもアンティーク着物の魅力に本を読み終える頃はまっていることでしょう。
きもの自分流リアルクローズ入門  田中敦子

きものって難しい、決まりごとがたくさんあってわからない、といった声をよく聞き著者も最初はそうであったという。でもとにかく着て、失敗して、先達に学んでそんな時間をだいぶ過ごした末に見えてきたのは、実は洋服やライフスタイルのセンスで考えていいってことだったという。以後、ぐんぐんと自分らしいワードローブになっていったという。きもの研究家の森田空美さんの連載を担当してきたこともかけがえのない修行になったという。これが自分流のきものの基本(ベーシック)になっていると私は感じる。この著書はリアルクローズとして私物をも紹介にいれているもので、誰もが<森田空美>にはなれないけれど森田セオリーを理解すれば自分なりのお洒落ができますよ、というメッセージをこめたのだ、と著書中の森田空美氏との語り合う対談にて伝えている。対談中心でやりとりが続いてこういう提案がある、こういう考え方がある、という気がつかせる対談が目立つ。森田空美氏はこれに対して、そうなのよコピーじゃないのよねお洒落って。表面ではなくて本質を学ぶことだと思いますよ、と答えている。森田空美氏の説明によると、小さな写真を虫眼鏡で見ている人もいるとのことで、先生何着ているんだろうって、つまり読者は探す力があることを忘れてはいけないという。これは露出の多い仕事であれば尚更そういったことになってくると思われる。森田空美氏については、文化服装学院の教論で、若い頃はきものは一生着ない、これからは洋服の時代だと思っていたという。著者の田中氏もきものなんて旧時代的と思っていたが、ふたりはおのおの、お茶の稽古を習い始めたり、着付けを習い始めて、そうしたきものイメージのとらえ方が変化し成熟していく。森田空美氏は、吉平(著書内 銀座にあった織物中心の伝説の呉服店 と記載 わたしが調べた吉平はこちら)とその女将の浦沢月子さんと知り合って、紬やきもの、さらにはいろいろ遊んだり、勉強になったという。私も浦沢月子さんは文字通り、伝説の女将だという気がする。詳しくは著書を確認していただきたい。また、染めの吉岡幸雄氏との対談も長文収録で、おもしろい内容になっていることを付け加えたい。好き嫌いの感情で仕事をしてはいけないことが世の中にはあり、それは仕事だけではないこともあろう。ここではそれらは割愛しよう。

色っぽいキモノ  井嶋ナギ なぜ、色っぽいキモノの研究を著者が始めたのかといえば、これまでそうした専門書のキモノ誌がなかったためであるが、色っぽいキモノを目指すきっかけは何気なく借りた一本のテープそれが映画「鬼龍院花子の生涯」で夏目雅子が啖呵を切る「なめたらあかんぜよシーン」で有名であるこの映画の、髪の毛を振り乱した志麻姐さん、長襦袢の裾からこぼれるのは、緋色(あかいろ)の裾よけ、高熱のために震える指先で弾く三味線、太ももには竜と牡丹の刺青「コ、コレだ!」という衝撃だったという。色っぽさにマトを絞ったキモノの本がないために独自研究を重ねて誕生した本である。本書は文章中心で世界観伝わるエピソードやストーリー、資料性の高いビジュアルなどでイメージしやすい要素をふんだんに盛り込まれているが、私のような男性読者は気が引けてしまうような強烈な女性がしばし登場しあっとうされてしまいます、というのが本音といったところである。
モダンと粋を愉しむ
田中翼のアンティーク着物Collection
田中翼

アンティーク着物に魅せられて収集するようになったのは最初に見た小千谷縮の斬新なデザインが以前から集めていた絵画、版画とよく似ていたためであったという。昭和時代の初め、一大消費地東京の好みに合わせて、アールヌーボー、アールデコ、キュビズム、表現主義、構成主義といった西洋の美術主義を着物の柄に取り入れて、若い女性の需要を喚起(かんき)すべく大流行した銘仙やお召とともに小千谷縮は次々と斬新なデザインを売り出していった背景がそこにはある。特にロシア未来派の影響を受けた日本の抽象画家のデザインによる着物や帯は現在も色褪せることなく多くの方に愛好されている。大正時代末から昭和時代初期にかけて若い女性は洋服を着始め呉服業界はそのままの状態では着物を着る人がいなくなると強い危機感を覚えた。<ときを同じくして、結城紬産地も絣導入といった他産地から婦人用図案設計の考案、縞や格子柄などの伝統的な柄、茶、紺、黒に代表される色調から絣はいたって赤、青、黄の三色に大きく依存する状態から脱却するため、桃色、水色、黄緑、などの色調をも積極的に取り入れた。絣の目色(めいろ 絣の色のこと)は漠然と赤、青、黄などの三原色以外には特にそれ以外の細かな設計は当時はなかった。しかし、積極的に多彩な色調をとりいれる結果、全国的なつむぎブームをのちに引き起こす。消費は多彩をうけいれたのである。絣は十字絣、亀甲、井桁に依存するにとどまらず、いくつもの細かな絣をたくみに巧妙に組み合わせた流れ出るような水やいきいきとした山、幾何学をも表現し設計することで独自の進化形態をとげる。とくに手つむぎ糸は絣導入後はその糸自体の繊細さに目をつけた産地は極端に細い緯糸を好むようになる。これは現在でも結城の糸の細さは伝統織物の中でも群を抜く細さである。無限の色彩、無限の表現を試みた産地努力の結果に他ならない。>洋服に負けない斬新なデザインをつくって洋服に対抗しようとした。それらは世界の抽象画家に依頼し(あのピカソや、カンディンスキーも名を連ねる)、当時の新聞記事やデパートのDMにも載っているほどダイナミックな戦略をたててでた。アンティーク着物は化学繊維などに代表される安価なものも大量に出回っているが、また同時に信じられないほど素晴らしい素材を現在に伝えるものもある。また今に残るものもごくわずかであることも確かである。というのも、大震災や戦災などで消失した着物は計り知れないほどであり、それらの悲運を幸運にもこえて残ったもの、だからである。次世代の人々に引き継ぎ、日本の大切な文化遺産として残すことが、着物にたずさわるものの使命なのかもしれない。著書目次を引用して読者の興味がわいてこればいいな、と私は感ずるのみ、アンティーク着物の写真構成でモダニズムも継承している点はなにも女性のみの愉しみではあるまいと思うが、女性であれば一度は袖を通したいななどと思うものであろうコンテンツ満載、引用しよう。まだみぬ未開と未知の世界が用意されている。

1.技巧を極めた逸品ぞろい モダンな振袖

2.時代のエッセンスをデザインに モダニズムの着物

3.手元に置きたくなる可愛いらしさ 生き物柄の着物

4.心意気をあらわす、心を映す 粋な着物

5.さまざまな素材で季節を愉しむ 夏着物

6.一生に一度のセレモニーのために 祝いの着物

西の「千總(総)」に東の「大彦」

以上である。

 

紬と絣の手織技法入門 吉田たすく 吉田たすく「紬と絣の手織技法入門」は、10年近くにわたってこつこつと書きつづけた労作で日本でも類のない技法書である、と東京芸術大学教授の平松保城氏が序で述べている。私は結城図書館が新しくできて一番はじめに借りた本がこの本であった。見習いでまだ経験もとぼしく、また新しい図書館で気分も新しい感じがしてむかったのである。なぜ覚えているかというと、この本の中のイラストで工程を表現するページを書き写した記憶と私の曽祖母が載っていたので覚えている。そのページもコピーして保存していた。また再読という形での再会であるが技法に関しては結城紬の技法がそのまま書写されたかのようなあまりにも似たイラストをみることができる。というのも結城紬はいまだに原始的な技法をそのまま現代につたえてのこる工程がほとんどで昔もいまも変わっていないだけに、似たような工程だと思ってしまうのも当然といえば当然かもしれない。いわば結城紬従事者には親近感や愛着のわく構成といえる。それは沖縄などの織物にも同じことがいえるだろう。著者の吉田たすく氏自身は本書のはじまりに内容を洗いなおして、一冊にまとめようとしたとのことで「素人のからはじまった私が、倉吉で絣を手ほどきに織りを始め沖縄でそこの技術を見学し、メキシコ、インドネシア、タイの織物を実地に見て歩き、探求するなどして自分なりに織の技術を蓄え、明治三十年代に鳥取県の倉吉地方で織られていた四枚綜絖、八枚綜絖、風通織の伝書を解読して組織図になおし、試織をしました。このようにして布を織って四十年になります」といった解説がある。また、手結い絣の沖縄の絣や絵絣の技術を学ぶことができるため、とくに見習い期間や経験不足を感じる人にはおすすめである。私も実際にそうして借りて読んだものだけに愛着もある。購入するといまはプレミア価格で高額資料となっているために、借りてからコピーする方法が経済的にもいいと思う。160ページに及ぶ無駄のない充実の内容と才知きわまる技法書にこころから敬意を示したい。
日本の染と織の美展   鐘紡株式会社社長、伊藤淳二氏というと、古代から近世にかけの生命に溢れた自由な表現をもつ芸術性豊かな染織品のコレクターとして知られる。そうした染織品を苦心しながらコツコツと集めて、最新の保存設備を設けては秘蔵してきた。この書には、そうした珍しい染織品を染織文化に貢献するため、いくたびか公開してこられてきた。鐘紡コレクション全5巻も好評な染織資料と評価されてきている。新しい発想の機会を与え、伝統染織品から現代に通ずる美しいものを発見する温故知新の精神をもてば、きっとあなたの役にたつ資料になることであろう。とくに江戸時代の品は、江戸の華やかな染織時代であったことはビジュアル、視覚的な華やかな色彩からも、江戸時代を思うとき、あぁ、日本人はこうしていろいろ工夫を重ねて、着物をつくってきたのだなぁ、と感じれるもので、着物文化を再び見直すときにいろいろと感慨深いものがあるかもしれない。結城図書館で借りることができる。
着こなし広がる 帯を楽しむ便利帖 吉田アヤ 監修 着物は、初心からスタートすれば、いろいろな帯の結び方を学び、さらには時と場所によってコーディネートしたりする。帯結び方と種類を20種類以上、この本から学べる。帯の結び方のコツや四季の装いに必要な基礎を学ぶこともできる。着物と帯のコーディネートを参考にするのもいい。最終的には、自分なりの好みにあわせて着るようになったり結び方をしたりできるようになるまで参考書の役割を果たしてくれそうだ。基礎がみにつけば応用もできるようになるし、かなり奇抜な配色でないかぎり、帯はもともと着物にあわせて考えて作られているものなので失敗は少なくできている。自分好みを発見できればそれが一番いいのではないかと思う。それまで参考書にして自分着物をサポートしてもらえば本書の役割は便利以外のなにものでもない参考書である。
中原淳一きもの読本   中原淳一 中原淳一さんの描く着物を着た女性の絵がとにかく、これを書いたのは女性ですよね、と一見思うほど女性的なタッチでいかんせん着物のことを書いているが、とにかく「それいゆ」という婦人向けの挿絵が印象的で部分的にしか頭に文章が入ってこないほど絵が強烈ある。昭和10年代からその絵が登場していたようだ。洋服がでてきて洋服についてのイメージがあることも確かではあるが、中原さんはみじかにあるもので工夫しよう、こういうやり方もあるよというアイデア、そして細かいところに気が届く人であったので、ファンから絶大な信頼をもっていたと思われる。戦後処理がうなくいかない日本にしかるべきところにしかるべき存在としてカリスマ性をもって活動していた。男性では到底いきつかない考えをもっていたのだ。それを中原淳一さんは表現していたので人気があり支持された。女性ヘアスタイルも自分でやってみましょう、とことあるごとに提案しているものは、それほどお金はかからないように読者の生活が困窮しないように気を配っていることが言葉の端々から読者に伝わってくる。中原淳一さんの世界の魅力はそうしたところにもファンを魅了してやまない世界観が用意されている。ファンが多くて当然のことだったのである。
原由美子のきもの暦 原由美子 女性の手のひら三つ分のタテの原稿に大きな文字で見開き1ページにエッセイのような自由度のあるきものの失敗談などが書かれていてみやすい。とくに失敗の話は、若いころにしか着れない柄というのが、その時期をすぎてきものを着るようになって着ておけばよかった、という暦べつのエピソードをみるともはやきものはじめさんは必読。このほか結城図書館に彼女の本があるようなので引き続き紹介予定。
きもの着ます。  原由美子 原由美子さんは洋服の仕事を続けて30年以上になり、きものも好きなのだというとビックリする方も多いようで、子供のころからずっときものが好きだったという。前回の原由美子のきもの暦という本と内容は似ている構成もあるがスタイリストの経験からか、姿の美しさを意識したイラスト、写真が目立つ感じ。原由美子さんは1945年生まれで慶応義塾大学文学部仏文学科卒業、ファッションディレクター、1970年「an an」創刊準備室に参加した後、スタイリストの仕事を開始しさまざまな雑誌のファッションページを手がけた。この本も雑誌に近い感じがする。
裂き織り大全  箕輪直子 地機織りで裂き織りのお勉強ということで、私のお気に入り著者、みのわさんのパワーを結城図書館で。さて、私の場合、織物でも柄づくりで染色部門伝統工芸士をえたということで織に関しては勉強してもまだまだ基礎知識が足らないのであります。みのわさんパワーを借りて、卓上、高機、そしてこれらを地機織りで可能にしていかなければ知識の還元にはなりません。借りていますが、みのわさん著書は全部あとで揃えたいです。それと箕輪さんの良さはどこにあるのか、といえば研究熱心さである。全ての著書を読む前にすでに一冊一冊に研究熱心さが伝わっていて、染織の世界の基礎を初心者にもわかりやすく伝え本の価格より必ずと言っていほど価値のある情報を伝えている安定感、それらをみて研究とはいままでの私の生き方をより目指すものを明確に指導しているかのような、暗示にもおもえる成功のひとつの形をあらわしてる気がする。親切で丁寧、それは私が多くよんできた他の染織資料にはない安定度のようなものをみることができる。あまりの完成度の高さにあとで自腹で購入した。