<本場結城紬ができるまで 制作工程>

本場結城紬<国から指定を受けた三工程>

本場結城紬は重要無形文化財であるこの三要件(三工程)が技術指定されています。

糸つむぎ<糸とり>
絣くくり<手くびり> (柄作り) 地機による織り

<本場結城紬製作工程詳細>

(本場結城紬ができるまで)

できるだけ分かりやすく紹介していきます。ほとんどの工程をのせました。現在全ての工程を一人で覚えることが難しく複雑で生産者からすると販売より生産の危機と危惧の欠落を感じます。なにより生産者が少なく後継者も不足しています。
図案作成 図案を作成し、その後に図案をもとに計算し、細かくチェックしてから製作工程に入ります
下準備 画像が見えにくいのですが、筬に細い糸を通していきます。針と糸を使用します。間違えていないか確認します。
下仕事 手紬糸をつむぐ方の所に行きます
繭の生糸は二条のフィブロインを中心に、その周囲をセリシン(25%〜27%)が取り巻いています。いずれも蛋白質です。
煮繭 繭のセリシンを取り除く事(重炭酸ソーダを使用)が煮繭です。
真綿がけ 繭をお湯の中で拡げて袋状にします。この拡げた繭5〜6粒を重ねて袋状にしたものを袋真綿と言います。
袋真綿の乾燥 袋真綿を乾燥させて50枚(94g)に束ね、一秤(はかり)として、結城では取り引きされています。結城紬一反分は約2300個の繭が必要です。
なめし加工 糸を紡ぎやすくするために、胡麻の油脂分に水を加え真綿を浸し、乾燥させます。
袋真綿(ふくろまわた) こちらが袋真綿(ふくろまわた)です。二個の蚕から一枚の袋真綿ができあがり、結城市の養蚕が途絶えた後、現在福島県保原市で生産されています。また袋真綿の他、角真綿という四角の真綿で取る場合もあります。角真綿は主に太い手紬糸を取る方に向いています。真綿の中でも袋真綿は高級な方になります。
糸つむぎ 真綿をつくしという道具に掛けて、両手の親指と人さし指で糸を紡ぎます。糸の太さは個人差がありますが、一秤94gから約80 g (一ボッチ)の糸を紡ぐのに5〜10日ぐらいはかかります。
一ボッチ 一反分は七ボッチ(約10万円ぐらいになります)必要です。特に糸質という点で織物の中でも珍しい糸です。
綛揚げ 一ボッチ(約80g)を2〜3綛に揚げ、回転数からデニ−ル(繊維の太さを表わす単位)を算出します。
手紬糸 手紬糸とよばれボッチ揚げされた手紬糸は回転数を表示した状態でデニールの計算をします。織物の中でも扱いが難しく糸慣れすることも難しい分野と壁です。
染色 化学染料が主に使用され、配合により色を再現します。色見本があればほとんど再現出来ます。組合があります。織元は紺屋に染色を依頼します。
染色 ガスバーナーでお湯を沸かします。
染色 糸の太さを計算して、染色してもらいます。
染色 軽く精練をして染色します。
無地染め 無地糸,地糸となる手紬糸は染めておきます。
藍のを乾燥させます。
藍染め こちらがすくもです。
すくも藍原料 すくもと呼ばれるものです。藍の葉を腐らせた原料となるものです。藍はジーンズなど海外でも使用され、防虫効果など優れた価値を持つ原料と染色です。
藍染め 藍も管理することが大変で発酵させた藍は、良い藍釜には藍の華とよばれる泡ができます。
藍染め 藍染めの場合、何度もくり返して染色します。藍独特のにおいがします。石灰などを使用し、手袋をしないと手が染色したり、かせたりしてします。
染色 先染めのため紺屋(染めどころ)に地色、絣など染色に関して依頼します。染色にもその専属の職人さんがいて、分業です。
絣目色 絣くくりする前に染色します。この時、絣の色を目色に染めるといい、白の場合手紬糸が酸化して黄ばむのを防ぐため、さび止めという薄い水色に染めます。本場結城紬は先染めです。
糊作成 糸の重さで小麦粉の重さを出し加熱してかき混ぜます。10分以上かかります。
下糊付け 染色した後、下糊付け(小麦粉を使用)をします。均等に糊がつくようにかきまぜます。
下糊付け 乾燥した状態の糸を素早くつけこみ、糊を吸収させ、一度絞ります。
下糊付け 絞った後、その後、もう一度糊付けします。
下糊付け 上から下に繰り返し落とします。糸と糊が充分につかった後、その後、15分くらいねかせます。15分たった後、糸の上と下をひっくり返しまた15分ねかせます。
絞り 15分寝かせた後、糊付けした手紬糸を絞ります。乾燥させる速度を早め、糊が均等になるように行なう工程です。織元のよって、脱水機にかける場合もあります。
たたく 糊付けした綛糸を丁寧に広げます。
たたく 手紬糸を親指でほぐしては延ばし、ボビンに巻く作業を楽にするため丁寧に行ないます。
糸の乾燥 下糊付けした後、乾燥させます。
綛揚げ 綛揚げします。この工程を二回繰り返し、より毛羽立ちを伏せることができます。
糸巻き 綛揚げし終えたら、糊付けし糸車で巻きます。糊付けをしても、手紬糸は切れやすくつなぐ時間が長いです。
ボビンに巻く ボビンに巻いて二度目の綛揚げです。
糊付け 手紬糸を小麦粉で強度を増すため、二回行います。ここで、小麦粉の量も変えて、二回目の糊付けを行ないます。手間がかかります。
糊付け 細かいゴミが入らないように濾して二回目の糊付けを行ないます。
藍糊付け 藍染めの場合この工程で手袋をします。
糊付け 二回目の糊付けを行ないます。
     
糸巻き 動力機でボビンに巻き取ります。
糸巻き たて糸、よこ糸のそれぞれを区別しておきます。
機のべ ボビンを置き、必要な糸の本数だけセットして、はたのべを行ないます。
絣経機のべ 経絣の糸はあらかじめ、二回糊付けしておきます。
絣経機のべ 機のべ台を用意します。
絣経機のべ メジャーで機のべに必要な長さを計ります。
絣経機のべ 絣糸を固く結びのべ始めます。
絣経機のべ のべ台を行ったり来たりしてのべます。このとき糸がむらな所やちぢれは取り除きます。
絣経機のべ 縦絣のあやをつくります。ここであやを作らないと織れません。
絣経機のべ 親指を軸にあやをつくります。
絣経機のべ 切れ糸がないかもチェックします。
絣経機のべ あやができました。
木綿通し のべ台の最後にあやをつくった場所がありそこで絣糸が後でばらばらにならないように目印のため木綿糸を通しておきます。
木綿通し 結びます。
絣経機のべ のべるとこのようになります。
絣経機のべ 上からみるとあやがわかりやすいです。
絣経機のべ のべた回数が分かるように紙を入れておきます。
絣経機のべ 経絣は通常四反分一度に作りますので本数は4本です。
絣経機のべ のべ終えたら最後に絣糸を結びます。
絣縦機のべ 絣糸の機のべが終わりました。
木綿通し あやの最後に木綿糸を入れておきます。
木綿通し 三カ所木綿で結びます。
木綿通し 結びます。
木綿通し ほどけないように結んでおきます。
木綿通し 長めに結んでおきます。これで縦絣糸の機のべは終わりです。
機のべ

(はたのべ)

タテ糸,一反分(約14.7m、1320本)

耳糸(約14.7m、48本)

機のべ たて糸、よこ糸によりそれぞれのべる本数と回数を書いておき、間違えない様にのべます。それぞれ機(はた)織りに結びつける工程です。
機のべ 同じく緯糸ものべます。視線は手紬糸のつれぐあいを見ています。
機のべ たて糸はあやをとります。
機のべ 縞の場合など場合によりのべ方を変えます。
機のべ はさみでちじれや毛羽を取り除き、糸の質をととのえます。
ヨコ地糸乾燥 ほどよい加減に上下でつり糸を乾燥させます。
ヨコ管巻き ヨコ糸を織る時に必要な杼<ひ>にさす管に糸を巻きます。
ヨコ巻き 手紬糸の製品によっては回転をタテにした職人道具で巻いています。
管巻き 一度に複数の管に巻きます。写真は藍染めの手紬糸のよこ糸です。
杼、管がら こちらがヨコ管巻きに巻いたものです。ある程度太く巻くことで管の無駄をはぶけます。
ヨコ絣糸乾燥 晴れの日は外で乾燥させます。
絣タテ下準備 絣糸にする糸をのべ終えたらタテ枠に一本一本図案にならって、タテ絣を特殊な筬に通して行きます。
絣タテ下準備 タテ枠に仮しばりして、墨付けする時、ぶれないようにします。
タテ墨付け 図案にそって墨付けします。
タテ絣括り 手括りします。墨付けした部分を木綿糸でくびリます(右の写真はタテの絣糸)。絣の色数分、くびりと染色をくり返し、すべて同じ力でくびらないといい絣が出来ません。
ヨコ墨付け ヨコの絣糸も図案にそって墨付けします。だいたい手紬糸が80本から100本が束になっています。
ヨコ絣括り 手括りします。この後色を染め色分けして柄が出来上がります。
ヨコ絣り 絣くくりは手元を電灯で照らして手元だけ見やすくして作業します。
たたき染め 染色します。絣糸は、棒の先に縛り付け、たたき台の上にたたき付けて染色します、そうすることにより木綿糸で絣くびりした間際まで染料がしみ込み、いい絣が出来上がります。
タテ絣とき 絣糸(右写真はタテ糸)は、染色後乾燥させ、くびり糸を取ります。北村織物は絣に関して人差し指に固い皮膚(豆をこえて)ができています。生産者かどうか、手を見れば分かります。
タテの糊付け 柄が浮かび上がります。タテ絣(四反分)を3回目の糊付けします。枠を利用してタテ枠から糊が付いた状態からはがします。
ヨコ絣とき タテと同じく、くびり糸を取ります。昔は足を使ったそうです。今は、あぐらで我慢し、ローラー式の原始的な道具があるため括りとほどきの工程は指ゴム(オレンジ色)を親指、人差し指につけ、無駄な時間を効率よくカットしていきます。どこの織元でもそうです。
ヨコ絣糊付け乾燥 タテの絣と同じく糊つけを行ない、乾燥させます。
ヨコ絣糸巻き 糊付けしたヨコの絣糸を糸車で巻き取ります。
ヨコ絣糸巻き 受注では一度に4反ほどつくり、絣の切れ糸、など図案の通りになっているか確認します。白い部分が絣です。黒だとハッキリわかります。
ヨコ絣糸巻き 最後の部分は管に巻く時に分かりやすいように地糸と違う色で終りにします。
ヨコ絣糸巻き 無地糸同様管に糸巻きします。
タテ柄合わせ タテの絣糸の柄を合わせて、仮縛りをしておきます。仮に基準墨という目印になる塗料を付け、図案にそって柄合わせします。
本糊付け前 本糊付け前に一度、2回の糊付けを終えて引っ張ります。
本糊付け前 この工程をなぜやるのかというと上下(上糸下糸)を分けるためです。
本糊付け 手紬糸は撚がなく、毛羽立ちやすいためタテ糸は下糊を二回した後、本糊付けをします。長機(ながはた)と呼ばれる、着物の長さをストレートにひっぱる場所でゆっくり乾燥させます。
切り替え 絣タテ糸を地糸と結び変えます。
切り替え 絣タテ糸を地糸と結び変えます。
切り替え 絣タテ糸を地糸と結び変えます。
間差し込み タテ糸を、設計図案に基ずき地糸の間に絣糸を間差します。
筬通し ステンレスの筬に、タテ糸を通します。
筬通し 筬に657本の糸をヤハツという道具で一本一本通していきます。筬によって縦糸が完成していきます。
筬通し オールハンドメイドのため地道な作業です。極めて視力と集中力が必要です。
機巻き タテの絣糸と地糸を張力をかけて、男巻きにまきつけます。
機巻き 通常三人でこの工程をすれば、早く次の工程に繋がります。
機巻き 絣は写真のように分かりやすく竹などの棒で糸が切れたとき見つかりやすくします。
機巻き 仕事を切り上げるとき糸を緩めておきます。
前結び 機巻きがすんだら前結びしをします。本つげくしを使用します。
前結び 掛糸を掛けます(糸綜こう)。掛糸を掛け、地機による下糸を自分の腰でつるためこの工程もかかせません。
前結び オールハンドメイドのため地道な作業です。
掛糸掛け 掛糸をかけます。(糸綜こう)、掛糸を掛けます、地機による上糸、下糸を織る職人さんの下糸を腰でつるため、この工程もかかせません。

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<予備画像はこちら>

機織り 織りは地機(日本で最も古い織機と言われています)で織られ、大きな杼(ひ)で打ち込み、風合いが出されます。打ち込みは男性の方がよいとされていて、打ち込み具合は人それぞれ違い腰に大きな負担がかかります。
機織り 地機の織りは腰に負担がかかり、織りは絣が入ると熟練の技が必要になり細かい作業でこの工程も国の重要無形文化財の三要件の一つです。これが地機です。
掛糸 機の織り子の前に掛け糸掛けをした糸のそうこうができあがります。
地機織 主に手元を見やすくするため照らすように蛍光灯をさげ、昔から夜までできるようにしてあります。
機織り 地機で経糸の張力を織手の腰で調節し大きな杼(刀杼)でヨコ糸を打込んで織ります。
織り 手紬糸は切れやすく、直す時間がかかります。手紬糸は小麦粉による糸の強化をはかっても糸が切れやすく繋ぐ時間が長いです。また、タテ糸が太く、ヨコ糸が細く、他の織物と違って非効率的になっています。そのことによりきめ細かな高級的な織物ができます。
織り 朝、昼、晩と実際にプロが織る結城紬は周りを暗くして電気で手元だけみやすくします。基本的に全工程に言えます。
じばた

休み時

地機を降りたときは、糸の負担をやわらげるため先方にゆるめておきます。
反物毛羽とり 着尺になった結城紬は丁寧に無駄な毛羽やゴミを取りのぞきます。
毛羽取り後 延べ棒から外します。
織り反物整頓 反物をコンパクトに折り畳む。

ミミ脇を揃えます。2人で行ないます。34尺約13Mその後糊抜き屋に持っていきます。この後、問屋におさめる場合検査(15項目の基準)を受け、合格証が配られます。不合格はラベルに表示されて出回ります。問屋無しの場合、検査を受ける必要性がありません。

湯通し(糊抜き 織元から販売し、注文と同時に反物の湯通しにかけます。分業で反物から小麦粉を水にさらして取り除きます。何度も繰り返して取り除きます。大量の水が出せる環境に置き、さらします。
蒸気プレス(糊抜き 蒸気のアイロンのような機械によって、圧力をかけ、本場結城紬の風合いと滑らかさを出し機械によって行なわれます。
湯通し(洗い張り 小麦粉を反物から取り除き、天日干しします。湯通しは午前中に行ない、午後に天日干しするという形です。
湯通し(洗い張り 結城紬を仕立てる前には、必ず糊抜きをしなければなりません。糊を抜くと結城紬本来の軽くて、柔らかな風合いになってきます。
湯通し(洗い張り 湯通しをする所を糊抜き屋と呼び、多い日は数十反もの湯通しをすることがあるそです。日の照っている日はよく見る光景です。洗い張りを繰り返す事で独特の風合いが増します。
仕立て上げ披露 仕立て(織元とは別職業)により着物になります。
本場結城紬の工程別のできるまで