色と文献

牡丹色(ぼたんいろ)あざやかな赤紫

文献 おぼろ夜(永井荷風)「潰島田(つぶししまだ)に牡丹色の結綿(ゆひわた)を掛けて居るが」

(1899)

牡丹色(ぼたんいろ) あざやかな赤紫

文献2 思ひ出(北原白秋)・わが生ひたち「紺色の可憐な燕の雛が懐かしさうに、牡丹いろの頰をちらりと巣の外に見せて、ついついと鳴いてゐる日もあった」

(1911)

赤紫(あかむらさき)

文献 書記-持統四年四月「其の朝服(みかどころも)は<略>広肆より巳上には赤紫、正の八級には赤紫」

(720)

赤紫(あかむらさき)

文献2 源氏-絵合「かむ屋紙に唐の綺を陪して、あかむらさきの表紙、紫檀の軸、世の常のよそひなり」

(11世紀前)

マゼンタ あざやかな赤紫

文献 豊饒の女神(西脇順三郎)大和路「岩にはビニャテリのドレスのような マジェンタ色のミツバツツジが咲く」

(1962)

撫子色(なでしこいろ)うすい赤紫

文献 古今著聞集-一一・三九三「表紙さまざまにかざりたり。打敷、瞿麦(なでしこ)のふせんれうに卯花を縫たりけり」

(1254)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献 人情本・春色辰巳園-後十〇回下「奥の裏袖折返しに附たるは、とき色(イロ)ちりめんなり」

(1835)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献2 浮雲〈二葉亭四迷〉二・七「帯上はアレハ時色(トキイロ)縮緬、統括めて云へばまづ上品なこしらへ」

(1889)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献3 暁月夜(樋口一葉)二「銀(しろかね)の平打一つに鴇色(トキイロ)ぶさの根掛むすびしを」

(1893)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献4 多情多恨(尾崎紅葉)後・六・一「淡紅色(ときいろ)縮緬の兵児帯を繚々(ふさふさ)と後結にして」

(1896)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献5 不如帰(徳富蘆花)上・三・一「浪子は<略>桃紅色(ときいろ)の手巾(はんけち)にて二つ三つ膝のあたりを掃ひながら」

(1899)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献6 初すがた(小杉天外)二「市松の博多の帯に紅色(ときいろ)の帯揚を締めた、齢より若装(わかづくり)の玉枝を」

(1900)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献7 みだれ髪(与謝野晶子)臙脂紫「とき髪に室(むろ)むつまじの百合のかをり消えをあやぶむ夜の淡紅色(ときいろ)よ」

(1901)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献8 雲は天才である(石川啄木)二「入口を見ると、<略>朱鷺色(ときいろ)のリボンを結んだのが二つ並んで居た」

(1906)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献9 青春(小栗風葉)夏・八「薔薇色(ばらいろ)の山際から東の天(そら)は淡く朱鷺色(ときいろ)に明け放れて」

(1906)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献10 文鳥(夏目漱石)「文鳥の眼は真黒である。瞼(まぶた)の周囲(まわり)に細い淡紅色(ときいろ)の絹糸を縫ひ附けた様な筋が入ってゐる」

(1908)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献11 半日(森鷗外)「寐起(ねおき)に蒼過ぎた頰も鵇色(ときいろ)に匂ってゐる」

(1909)

鴇色(ときいろ)うすい紫みの赤

文献12 童謡・薔薇(北原白秋)「薔薇(ばら)は薄紅(とき)いろ、なかほどあかい」

(1926)

一斤染(いっこんぞめ)うすい紫みの赤

文献 山槐記-治承三年三月三日「今日宇治一切経会也、<略>右衛門権佐光長茶染一斤染立烏帽子」

(1179)

一斤染(いっこんぞめ)うすい紫みの赤

文献2 助無智秘抄「五節<略>辰日節会<略>ただしけびゐしは、あをばかまに一こんぞめ」

(1166)