<夏用結城紬>
以前、夏用結城紬の開発を北村織物でおこなった。
ここから、ヨコに麻を使用し、タテを手つむぎ糸で
織りは地機。さらに、タテの手つむぎ糸に500回転前後の
撚りを入れてシャリ感を出す、というのがあるが、
ここまでの手間をいれるならば、
タテヨコ手紬糸の縮(ちぢみ)のほうまで逃げたほうが、
いいのではないか、というのが、結果的によいような気がして、それ以降、
縮み(タテ手紬糸、ヨコ手紬糸、手つむぎ糸のヨコは強撚糸)
という従来からの結城紬の技法を尊重した。
夏用結城紬というのは、夏にも結城ということだが、
夏用をばぶき、夏結城なんていうのもある。これはかなりの
粗悪品とネットでたたかれている。あたかもあるかのような
こった証紙が独自でつくられているとかなんとか、
商標登録済みなのかはわからないが、それはもういいとして、
北村織物では夏はユカタ、
初夏はシャリ感のある縮におちつく。
ヨコに麻をいれる、タテに500回転前後の撚りの手つむぎ糸を使用して
夏用結城紬もいいが、縮が産地全体でも生産が少ないというのも事実。
新商品の開発より従来の技術(縮)を北村織物ではすすめていく。